任意売却できないケースがある?原因とその解決策を解説

任意売却できないケースがある?原因とその解決策を解説

住宅ローンの返済が滞った場合、任意売却を検討することで、状況の改善に繋がることがあります。
資金繰りに苦しむ債務者にとって、任意売却は救いである一方、任意売却ができず競売に進むケースも存在します。
この記事では、任意売却ができない原因を明らかにし、その解決策について解説します。

そもそも任意売却とは?特徴や競売の違いについて

そもそも任意売却とは?特徴や競売の違いについて

任意売却とは、住宅ローンを借りている金融機関の許可のもと、所有者の希望に沿って不動産を市場で売却することです。
通常、不動産を売却する際には住宅ローンの残債を全額返済しなければならず、不足分は別途用意する必要があります。
これは、金融機関の抵当権を抹消しなければ不動産の引渡しができないためです。
しかし、任意売却では金融機関の了承が得られれば、残債が完済できない場合でも一定の条件で抵当権を解除してもらうことが可能です。
任意売却を進めるためには、まず金融機関に相談し、不動産会社に物件の査定を依頼します。
その査定額をもとに金融機関と連携して売却活動を開始します。
具体的な手順は以下の通りです。

●金融機関に任意売却を相談
●不動産会社に物件の査定を依頼
●金融機関に査定額を伝えて任意売却の許可を得る


これらの準備が整って初めて任意売却の活動を開始できます。

メリット

任意売却には以下のメリットがあります。
市場相場に近い価格で売却できる
任意売却は一般的な売却方法と同様に市場に出されるため、市場相場に近い価格で売却可能です。
近所の方に滞納を知られない
一般的な売却方法と同じため、近所の方に住宅ローンの滞納を知られることはありません。
残債は分割返済が可能
市場相場に近い価格で売却できます。
残債は無理なく返済できる額まで圧縮可能で、分割返済も可能ですが、これは金融機関との交渉次第です。
諸費用は売却代金から支払える
売却に伴う諸経費(登記料・測量費用・仲介手数料)は、売却代金から支払うことが認められています。
引き続き入居できる可能性がある
親族や投資家が買受人となった場合、借家として、元の家に住み続けることができます。
月々の家賃が必要ですが、住み慣れた家に住み続けられるのは大きなメリットです。

任意売却のデメリット

任意売却にはメリットだけでなく、以下のようなデメリットもあります。
信用情報機関に登録される
住宅ローンを3か月以上滞納すると、信用情報機関に登録され、いわゆる「ブラックリスト」に掲載されます。
これにより、5年~10年間は新たな借り入れやクレジットカードの作成が困難になります。
金融機関や連帯保証人の同意が必要
任意売却には金融機関や連帯保証人の同意が必須です。
物件の査定額が残債を大きく下回る場合、同意が得られないこともあります。
売却価格に制約がある
売却価格は事前に金融機関と取り決めた価格以上でなければならず、それ以下では売却できません。
急いで入居先を探す必要がある
任意売却では、売却活動から引渡しまでの期間が短いことが多く、売却後に入居先を急いで決める必要があります。

任意売却と競売の違い

任意売却は、債務者の意思で売却するため、売却後の返済方法や返済額についての希望が通りやすいです。
一方、競売とは金融機関が裁判所に申し立て、裁判所が強制的に売却するもので、借り入れ金が遅延損害金などで膨らむため、売却価格も低くなりがちです。
競売は債務者にとってほとんどメリットがないため、返済できなくなった場合やその可能性がある場合は、早めに任意売却を検討することが重要になります。

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任意売却ができないケースとその解決策とは

任意売却ができないケースとその解決策とは

住宅ローンを滞納したからといって、誰でも任意売却を選択できるわけではありません。
任意売却を実施するにはいくつかの課題をクリアする必要があります。
続いては、任意売却ができない6つのケースとその解決方法について解説します。

任意売却ができないケース①:債権者が任意売却を認めない

任意売却は金融機関にとってリスクがあるため、そもそも認めない方針の金融機関もあります。
このような場合、金融機関の同意を得るのは困難です。
ただし、売却後の残債が返済可能な範囲に収まる見込みがある場合、同意が得られることもあります。

任意売却ができないケース②:売却額が住宅ローンの残高を下回る

売却額が住宅ローンの残高よりも低い(オーバーローン)場合、金融機関が任意売却に同意しない可能性が高いです。
これを解決するためには、まず物件がどの程度の価格で売却できるかを正確に把握します。
その上で、任意売却後の残債を算出し、返済計画を立てて金融機関に提示します。
計画が実現可能と判断されれば、同意が得られる可能性が高まるでしょう。

任意売却ができないケース③:共同名義人などの同意が得られない

任意売却には金融機関だけでなく、共同名義人や連帯保証人の同意も必要です。
とくに、離婚などで関係が悪化している場合、同意を得るのが難しくなります。
この場合、冷静かつ粘り強く交渉し、任意売却の重要性を説明することが解決策となります。

任意売却ができないケース④:任意売却の時間的な余裕がない

住宅ローンを滞納し続けると、最終的には競売にかけられることになります。
競売開始後は止めることができないため、少なくとも強制執行が実施される前に任意売却の準備を整える必要があります。
時間的な余裕がない場合は、早急に行動することが重要です。

任意売却ができないケース⑤:十分な売却活動がおこなえない

任意売却は一般的な売却と同じ方法でおこなわれます。
内覧や物件情報の公開ができないと、任意売却は難しくなります。
このような場合、売却活動の障害となっている問題の解決が必要です。

任意売却ができないケース⑥:所有者の本人確認ができない

売買契約には所有者本人の確認が必要です。
所有者が所在不明の場合、任意売却は実行できません。
この場合、所有者を説得して取引に臨席してもらうか、司法書士が所有者の元に赴いて本人確認をおこなう方法があります。

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任意売却できないとどうなる?

任意売却できないとどうなる?

住宅ローンを滞納し続けているにも関わらず、任意売却が実行できない場合、どうなるのでしょうか。
その後の展開について解説します。

任意売却できないとどうなるのか①:強制的に競売にかけられる

任意売却を試みる時点で、金融機関はすでに競売手続きの一歩手前にあることが多いです。
しかし、競売よりも任意売却の方が金融機関にとってもメリットが大きいため、任意売却が可能な場合は同意してもらえることが一般的です。
ただし、任意売却ができない場合、金融機関は競売手続きを進めます。
競売が実行されると、定められた期日までに物件を退去する必要があります。
その場合、引っ越し費用は自宅の売却代金とは別に用意しなければなりません。
競売の結果、売却代金はローンの返済に充てられますが、それでも残債が残ることがあります。
この場合、残ったローンは引き続き支払わなければなりません。

任意売却できないとどうなるのか②:残債を支払えないと自己破産

競売が実行されてもローンの残高を完済できない場合、その後の生活は非常に厳しくなります。
残債の返済できない場合、自己破産を選択することがあります。
自己破産をおこなうと、すべての債務の返済が免除されますが、その代わり、個人が所有する財産は一部を除いてすべて手放さなければいけません。
自動車や預貯金など、生活に必要なものを手放すこととなるため、その後の生活に支障が出ることもあります。
このような状況を避けるためにも、早めに専門家に相談し、最適な解決策を見つけることが重要です。

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まとめ

任意売却とは、住宅ローンの返済が難しい場合に、金融機関の許可を得て市場価格で不動産を売却し、残債を返済する方法です。
市場相場に近い価格での売却、残債の分割返済などのメリットがある一方で、信用情報機関への登録、金融機関や連帯保証人の同意の必要性などのデメリットが挙げられます。
任意売却ができない場合、強制競売や自己破産のリスクがあるため、早期の専門家相談が重要です。