老後に家を売ってはいけない?売却したい場合のポイントとは?

不動産売買ノウハウ

老後に家を売ってはいけない?売却したい場合のポイントとは?

ご自身の住みたい街で「理想の老後生活」を送るために、今住んでいる家を売却しようとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、一般的には「老後に家を売ってはいけない」と言われるのですが、理由が分からない方が多いかと思います。
そこで今回は、老後のマイホームの売却をご検討中の方に向けて、老後に家を売ってはいけないと言われる理由についてご紹介します。
老後に家を売るメリットや資金を確保する方法も併せて把握し、ぜひ老後の生活を快適に送るためのご参考にしてみてください。

老後に家を売ってはいけないと言われる理由は?

老後に家を売ってはいけないと言われる理由は?

そもそも老後に家を売ってはいけないと言われるのは、どうしてでしょうか。
まずは、老後に家を売ってはいけないと言われる4つの理由をご紹介します。
老後の不動産売却に関するリスクを把握したうえで実際の売却について考えてみましょう。

理由①:環境の変化が心身の負担になる可能性がある

1つ目の理由として、環境の変化が挙げられます。
老後の売却の場合、長年築いてきた近所付き合いをリセットしてから新生活を始める方が多いと考えられます。
そのため、新しく人間関係を築くことが、気力や体力面に鑑みても億劫になるケースがあるかもしれません。
しかし、新しい環境に対して不安がある場合は、新居を住み慣れたエリアに絞ることも可能です。
また、現在の生活より利便性が向上したり、自然が多いなどの望む環境だったりすれば、生活の質が上がるため、反対に今より暮らしやすくなる可能性もあります。
いずれにしても、立地を慎重に選択することによってこのような不安は払拭できるでしょう。

理由②:子どもが相続する家がなくなる

持ち家は資産になるため、売却すれば子どもが相続できなくなることが、2つ目の理由です。
ただし、家の相続は子どもに資産を残せるメリットがある反面、維持費の負担や管理の手間などの問題で敬遠されるケースもあります。
将来お子さまがご実家近くに居住しなかった場合や複数人のお子さまがいらっしゃる場合など、管理や分け方などでトラブルになってしまう可能性も考えられるため、注意が必要です。
反対にお子さまが将来実家を引き継いで、居住することを考えているケースもあるかもしれません。
そのため、売却については配偶者だけでなく、お子さまも交えてしっかりと話し合っておくことが大切です。

理由③:賃貸住宅を借りにくい

高齢者は収入減や認知症による事故のリスクなどを理由に賃貸住宅への入居を断られるケースがあります。
不動産を売却すると場合によっては住まいを失う可能性があることが、家を売ってはいけないと言われる3つ目の理由です。
また、新居を賃貸物件にした場合は、定期的な家賃の支払いが必要です。
年金が収入源になる方が多くなりますので、貯蓄額によっては家賃の滞納につながる可能性もあります。
そのため、しっかりと資金計画や今後の見とおしを立てたうえで売却に踏み切ることが大切です。

理由④:家財を整理するのが大変

高齢になってからの住み替えでは、広い家からコンパクトな家に移るのが一般的です。
そのため、多くの家財を手放す必要が出てくるかもしれません。
家財の量によっては、体力や気力の面で大変だと感じる可能性があることも家を売ってはいけないと言われる理由の1つです。
しかし、早めに身辺整理をおこない、コンパクトな生活をすることによって暮らしやすくなったり、今後残される家族の負担を減らしたりできるメリットもあります。

老後に家を売ってはいけない?住み替えのメリットも考えよう!

老後に家を売ってはいけない?住み替えのメリットも考えよう!

老後に家を売ってはいけないと言われる理由については先述したとおりですが、老後の住み替えにはメリットもあります。
そのため、先入観だけで諦めるのではなく、メリットや注意点についてしっかりと把握し、検討することが大切です。
ここでは、住み替えにおける3つのメリットについてご紹介します。

住み替えのメリット①:ライフスタイルに合わせた家で生活できる

住み替えをおこなうことによって現在のライフスタイルに合わせた家で生活できることはメリットです。
とくに、一戸建てに居住されている方は、お子さまの独立にともない部屋が余ってしまうケースも少なくはありません。
老後広い家に居住することは、管理や掃除の手間などを考えると負担が大きくなってしまいがちです。
さらに、バリアフリーに対応していない家だと、階段や段差などが気になってくる可能性もあります。
しかし、住み替えをおこなえば、部屋数が少なく、バリアフリー対応の物件など、コンパクトで利便性が高い暮らしが実現できます。
ほかにもオートロックつきのセキュリティ面が良好な物件やシニア向け分譲マンションなど、さまざまな選択肢があることを覚えておきましょう。

住み替えのメリット②:老後資金を確保できる

自宅をスムーズに売却できれば、まとまった生活資金が手に入るメリットもあります。
売却後は無理なく支払いができる賃貸物件などに住み替えれば、固定資産税などの税金の負担も軽減できるため、ゆとりをもって生活しやすいでしょう。

住み替えのメリット③相続に関するトラブルが起きにくい

家を売ってはいけない理由で少し触れたように不動産を均等に分配するのは難しく、持ち家を残すと相続時にトラブルに発展する可能性があります。
また、残された親族が家を管理するのが難しければ、自治体から特定空家に認定されるリスクもあるため、注意が必要です。
管理が行き届いていない特定空家は、最終的に所有者の費用負担で解体になる可能性もあります。
しかし、事前に自宅を売却しておくことによってこのようなトラブルの心配がなくなることはメリットです。

老後に家を売ってはいけない?資金確保の方法も考えておこう!

老後に家を売ってはいけない?資金確保の方法も考えておこう!

老後に家を売ってはいけないと言われる理由と住み替えのメリットの両面を考慮した結果、売却を検討する場合、押さえておきたいのが資金確保の方法についてです。
老後に資金を得るための方法はいくつかあるため、今後の生活を考えたうえで選択することをおすすめします。

一般的な方法は仲介や買取

不動産売却は、一般的に不動産会社が間に入って必要な手続きを代行する「仲介」でおこないます。
ほかに不動産会社と直接取引をおこなう「買取」も選択肢の1つです。
仲介は第三者の買主を探す必要があるため、現金を手にするまでに時間がかかりますが、買取よりも多くの売却金を入手できることがメリットです。
一方、買取は買主が不動産会社のため、取引や入金が短時間で完了しますが、仲介に比べると受け取る売却金が少なくなることを覚えておきましょう。
立地や築年数などの問題で売りにくい不動産の場合、買取を選択するケースがあります。

リバースモーゲージやリースバックのような選択肢もある

今の家に住みながら資金を確保する方法を検討している場合は、リバースモーゲージやリースバックの選択を視野に入れましょう。
リバースモーゲージとは、持ち家を担保として融資金を受け取るサービスのことです。
融資金は契約者の死亡後に売却金から返済されるため、利息だけ支払えば今の家に住み続けることができます。
一方、リースバックとは、持ち家を売却したあとに賃貸借契約を締結することです。
住み慣れた今の家に住みながら、売却金を入手できるメリットがあります。
そのため、賃貸借契約を締結することによって今の家に住み続けることが可能です。
なお、家を売ってはいけない理由を見て、デメリットを強く感じる場合は、このような方法もあることを覚えておきましょう。

まとめ

老後に家を売ってはいけない理由としては、環境の変化による負担、子どもに資産を残せない、賃貸住宅を借りにくいなどが挙げられます。
一方で、住み替えをおこなうことによって今の暮らしに合った生活基盤を整えられるほか、老後の資金確保ができるなどのメリットもあります。
そのため、家を売ってはいけない理由と住み替えのメリットの両面から熟考し、どちらがより快適な生活を送れるかをしっかりと検討することが大切です。
売却を視野に入れる場合は、一般的な仲介や買取のほかリバースモーゲージやリースバックについて考えてみるのも良いかもしれません。


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